生井地区は網戸地区の南に位置し、網戸地区と同様にほぼ全域が洪水ハザードマップの危険水域に指定されています。豪雨時に渡良瀬遊水地の水位が上昇した際に、生井地区を流れる与良川の水を渡良瀬遊水地に強制的に排水するために与良川統合排水機場が新設されましたが、近年の異常気象で渡良瀬遊水地の治水機能以上の豪雨が降った場合、果たして排水機場は機能するのでしょうか。まずは渡良瀬遊水地の治水機能を向上させなければ、想定外の雨量の際に対応することはできません。
生井地区は過去に何度となく洪水の被害に見舞われており、昭和22年に発生したカスリーン台風では、当時の生井村の住戸751戸(約6割)が浸水するという甚大な被害をもたらしています。下生井小学校は洪水時の避難場所にはなっておらず、楢木の工業団地は過去に浸水しているという状況です。例えば、隣の野木町と広域的に連携し避難所を提供してもらうか、あるいは下生井小学校を嵩上げ工事し、生井地区の避難場所としての機能を持たせたいところです。
このように水害が身近にあった生井地区では、水害時に移動するための揚舟や避難するための水塚など、水害から身を守るための知恵が受け継がれてきました。こういった文化を次世代に残し、その中で生活を営むことで、知らず知らずのうちに象徴的な存在として人々の心に根付いていくのではないでしょうか。
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